東福寺龍眠庵墓地指定石材店のオフィス石太郎です。
龍眠庵の隣にある「東福寺霊源院」は、水子供養でも有名なお寺です。
寺院では長らくの間、水子供養というお供養は行ってきませんでした。
水子供養が一般に知られるようになり、一部のお寺で行われるようになったのは昭和になってからだと思います。
水子供養が知られるようになったのは、ある寺院が水子の祟りというキャッチコピーで発信を始めたのがきっかけだったと思います。
その頃の筆者はまだ子供でしたが、水子の祟りを箇条書きにした看板が写されたお寺の外壁の写真を何かで見た記憶があります。(曖昧な記憶です)
また、夏になると霊能者という人が相談者の腰のあたりを見つめながら「水子の霊が〇人憑いています」などと指摘する光景をテレビで見ていたように思います。
水子供養=除霊という祟りを題材にして視聴率アップに利用されるなど、本来のお供養とは程遠い霊感ビジネスのような時代が長らく続いていました。
インターネットで水子供養を検索いたしますと、水子供養否定派の意見を沢山お見掛けいたします。
仏教では、過去に水子供養という概念がなかったことから、本当に様々な否定的な意見がございます。
また、霊感ビジネスのようなスタートだったこともあって、寺院の収入にまで踏み込んだ否定意見も多いように思います。
愛用した針や筆などの道具や、故人が愛した人形をゴミとして出すことに抵抗を感じる人が、道具への感謝の気持ちからお寺に相談をする場合があります。
純粋な気持ちで、お供養の相談をするため寺院に行かれる方々を「そっとしておいてあげたら良いのにな」と思います。
霊源院では、ご本人や家族が、一度は授かった命に向き合っていただける場として、蓮華堂というお堂で水子供養をしていただいています。
水子供養の依頼のあった人には、逝去された成人や子供と同様に、本堂で追善法要を行っています。
霊源院に水子供養を依頼される方は、ご自宅にお仏壇のない若い方々が多いのですが、法要後も蓮華堂には多くの方々がお参りにお越しです。
お堂では、お地蔵様に手を合わせると、すぐに退出される方がおられたり、お花や供物をお供えされる方、堂内のベンチで長時間お参りをされる方など、お参りのスタイルは様々です。
お参りのスタイルは様々ですが、蓮華堂にお参りの皆様共通していえることは、お亡くなりになった赤ちゃんに会いに来られています。
霊源院では、成人や水子をお亡くなりになった命として区別しておりません。
故人様の追善法要を勤めた以降は、ご本人様の「出来るだけのことをしてあげたい」という気持ちに応える御堂を整えて、霊源院では水子供養に取り組んで
います。