東福寺龍眠庵墓地指定石材店のオフィス石太郎です。
龍眠庵をご見学のお客様からのご質問の中で最も多いのは「永代供養墓の表示価格の他に何か費用は必要ですか?」です。
龍眠庵の永代供養墓は、先々の維持費等は一切不要ですが、開眼法要や納骨法要などの際にご住職にお渡しいただく御布施がその都度必要になります。
今回は法要などの際にご住職にお渡しいただく御布施をテーマにコラムを書かせていただきます。
御布施の額をご住職に尋ねることに抵抗を感じる人が多いようです。
抵抗を感じる人の多くは「失礼に当たる」と思っているような感じがいたします。
では何故失礼に当たると感じるのでしょうか。
これは、長年続いたお寺と檀家との関係が考えられます。
そこには、長い年月によって築かれた双方の信頼があります。
御布施の額を尋ねることは、その信頼を失くすことだったのではないかと思われます。
そのあたりのモヤモヤした思いが、今でも受け継がれているのではないかと筆者は思います。
昔は菩提寺と呼ばれる先祖代々お世話になっているお寺のある家が多くありました。
そのため、法要などの際にお寺さんにお渡しする御布施の額が分からない時には、家族の年長者に尋ねれば概ね解決しました。
最近は、永代供養墓などの受付によってお客様とご住職の双方は初対面という感じの出会がほとんどです。
ご住職と初めて会ったお客様にとっては、これから先にお世話になる人に対して出来るだけ失礼がないようにと思うのは、いたって自然だと思います。
反面、お寺と出会ったことで負担が増すかもしれないという予測できない不安があります。
そこで、御布施の額が分からない問題などが徐々に頭をもたげます。
御布施の額をご住職に質問をした際に「お気持ちで」と返答をされた人は少なくないのではないかと思います。
まるでマニュアル化されているのではないかとも感じてしまいます。
筆者は職業柄、色々なお寺のご住職とお客様とのお話の場に立ち会うことがあります。
「お気持ちで」と仰った後も、お客様の家族構成や状況などを、そつなく尋ねて親身な対応をなさっているご住職を拝見する機会があります。
お客様にも、ご住職の仰る「お気持ちで」の意味が少し伝わって、次に繋がるきがして何となく筆者も安心いたします。
お客様から見た法要の際の御布施とは、務めてくださったご住職へお礼ということになりますので、本来は「気持ち」が優先されてしかるべきです。
「失礼かな?大丈夫かな?」と、勇気を出して御布施の額をご住職に尋ねた際に「お気持ちで」と返答されて困る人も多いようです。
そのことで、葬儀社・仏具店・墓石店などの業者に尋ねるお客様が殆どです。
ご住職に代わって御布施の額を業者が伝えることにって、本来「お気持ちで」のはずだった御布施が定額化してしまっているのが現状です。
今まで沢山のお客様とご縁をいただきましたが、地方によって異なる御布施の相場があることを教えていただきました。
「お気持ちで」のメリットは、各家ごとに対応できることでしたので、本来でしたら相場などは無いはずです。
ご住職の代わりに業者が代弁してきたことで、エリアごとに御布施が定額化してしまったようです。
業者の立場では「この辺りは〇万円位が相場みたいだけど、色々と大変でしょうから無理しなくてよいですよ。お気持ちで・・・」のようなセリフは言えません。
筆者は、墓石業界にお世話になって34年目になります。
業界に入って15年くらい間は、お客様へのサービスの一環と思いながら御布施の相場を積極的に伝えていました。
当時を振り返りますと、お客様の反応もよく沢山の方々より「助かります」と仰っていただきました。
ところがある日、御布施の額に相場があるのこと自体に疑問を感じてしまいました。
その日以降は、まずは直接ご住職に尋ねていただくように心がけています。
手順を踏んでいただいても解決しない場合のみ、ガイドラインとしてお伝えするようにしています。
些細な事かも知れませんが、先々の事を考えた場合には、ご住職とお客様との双方の信頼を育むための手助けになると考えています。
龍眠庵の永代供養墓の受付は、隣にあるお弟子さんのお寺「霊源院」のご住職がされています。
霊源院のご住職は、御布施の額の質問をされても快く答えてくださいますので、安心してお尋ねください。