前回の記事の続きです。
縁があって大学生の方々から沢山の意見を頂戴する機会に恵まれたとお伝えを致しました。
いただいた意見をまとめたものを集約したものが下記の3つになります。
少子化の時代に若い方々が求めるお墓とは
・後々の面倒を見なくてもよいお墓
今回は、少子高齢化の中で大学生の若者が希望する『後々の面倒を見なくてもよいお墓』について、メリットやデメリットを考えていきたいと思います。
誤解のないように申し上げますと、若い方々は墓参りをしたくないといいたい訳ではありません。
若い方々は、親から子供へ、子供から孫へ、孫から曾孫へという、従来からのお墓を維持する風習に疑問を感じている部分が大きいようです。
子供に相談なく、孫に相談なく、自動的に決められてしまう昔から引き継がれてきたお墓のあり方への反発ともいえます。
このような従来型のお墓を維持する仕組みでは、少子化の中ではいつかは行き詰ってしまいます。
お墓の承継が行き詰ってしまいますと、先祖から続く引き継ぐ番が廻ってきた家族にとっては大きな問題になってしまいます。
後々の面倒を見なくてもよいお墓を希望したり、それをメリットとして考えることは、少子化の中では必然ではないかと思います。
このような希望に沿ったお墓としては、合祀墓や永代供養墓があげられます。
これらのお墓のメリットとしては、維持費が不要または永代管理を採用しているため、管理料未納によるお墓の使用中止のペナルティーがありません。
また、無縁墓として処分されてしまう心配からも解放されるため、子孫への精神的な負担は軽減されます。
※永代管理を採用せずに永代供養墓と表記しているお墓もありますのでご注意ください。
後々の面倒を見なくてもよいお墓といっても、何もしないことを希望している人は少ないのではないでしょうか。
感情的な対立があった場合は別として、逝去してしまった家族の墓参りをすることに理由はないのではないかと思います。
何の心配もなく故人へのお供養の事だけを考えることができるお墓がありましたら、それに越したことはありません。
ただし、墓地使用者としての義務や責任感が維持されなければ、折角のメリットがデメリットになりかねません。
やはり、我が家がこのお墓をお参りするという自覚は必要です。
お墓参りは、埋葬されている方々へのお供養をすることが一番ではありますが、家族の中の特に小さなお子さんが感謝の気持ちを養っていただく場でもあります。
お子さん達がお供養を重ねることで、感謝の気持ちを宿していただけましたら、故人にとっても最高の供養になるのではないかと思います。
今回のテーマとは直接関係がありませんが、ご高齢の方々にとっては、何よりも立地環境がメリットやデメリットに直結いたします。
高齢者の中には膝が悪い方が多く、急坂や階段が何よりのデメリットになってしまいます。
平坦地で、車を降りてから近い場所にあるお墓ほど有難いものはありません。
墓石の形状については、立ったり屈んだりを繰り返すことなくお参りができる高さのお墓が、高齢者には好評のようです。
少子化の時代を迎えて、お墓も変わりつつあります。
過去には檀家さんだけが利用することができた合祀墓ですが、今では宗派を問わず受付けている寺院が増えてまいりました。
また、承継者のあるなしに関わらず安心して建てることができる永代供養墓を提案する寺院も増えています。
今回も、数名の大学生からいただいた意見を参考にコラム風の記事を書かせていただきましたが、埋葬をする場所を探している方々の参考になれば幸いです。