文字の大きさ 電話

家族が供養をしなくてもよいお墓-少子高齢化

2022.04.16

京都東福寺龍眠庵の永代供養墓豆知識

少子高齢化でのお墓のあり方について③

目次

①『家族が供養をしなくてもよいお墓』のメリットと思われる部分

②『家族が供養をしなくてもよいお墓』のデメリットと思われる部分

③まとめ

前回の記事の続きです。

お墓には全く関心のない大学生の方々に、「お墓に求めるもの」を尋ねてみた結果を集約したものが下記に3つになります。

声にこそ出なかったものの、もしかして「お墓なんかいらない」というのが本音かもしれません。

霊園や寺院では、少子化という時代が流れる中で、後継者のいない人も安心して埋葬していただけるタイプのお墓が充実してまいりました。

またまだ過渡期ともいえる状況の中で、これらの新しいタイプのお墓が正しく認知されていないところもあるようです。

今回は、若者が求めるお墓の3つ目『家族が供養をしなくてもよいお墓』について、コインの裏表ともいえるメリットとデメリットについて触れてみたいと思います。

『家族が供養をしなくてもよいお墓』のメリットと思われる部分

筆者としては『家族が供養をしなくても安心のお墓』と表現したかったのですが、『家族が供養をしなくてもよいお墓』の方が当てはまるように思いましたのでこのように書きました。

お墓に関心のない若者に問いかけをしましたので、本音の部分ではあまりピンときていないように感じました。

おそらくネットで検索をして、お墓の広告で永代供養というワードを発見して「手間がかからない=便利」という思い込みから、このような返答が絞り出されたのではないかと想像できます。

永代供養について、誤解が拡がりつつあるようですので簡単に説明をさせていただきます。

永代供養とは、遺族から依頼を受けたお寺が、定期的な供養を永続的に勤めることをいいます。

寺に永代供養を依頼した遺族は、故人の供養をしなくても良いという訳ではありません。

故人を埋葬した場所が、合祀墓やお墓などの建つ墓地であっても、納骨壇が並ぶ納骨堂(室内墓地)であっても、遺族のお参りは欠かせません。

若い方々は、愛する人や一緒に暮らす家族の死を経験したことがない人が多いと思いますので、お墓参りに行くのは面倒くさそうと思う気持ちは分かります。

埋葬した後でお墓参りをするかしないかは個人の自由ですので、『家族が供養しなくても良いお墓』は、今ある全てのお墓がこれに当たります。

今後はお墓参りをされる方々が減っていく時代になるのかもしれません。

高齢者の中には、お墓参りに行きたくても行けなくなってしまった人も大勢おられると思います。

ご高齢の方々は、墓前に行くことが出来なくても、霊園や寺院など毎年定期的に開催される合同法要の便りを聞くだけでもご安心いただけるのではないかと思います。

誰もが一生を同じ生活環境で過ごせるわけではありません。

遠方に引っ越ししてしまう場合や、体調面の変化もあります。

新たなお墓を求める際には、墓地内の除草や、墓所が著しく汚れてしまった場合の対処など、先々に心配の種になりそうなことも予想してお墓を選ぶようにして下さい。

『家族が供養をしなくてもよいお墓』のデメリットと思われる部分

先ほどのメリットのところでも触れましたが、永代供養とは遺族の負担を寺院が引き受けるという類のことではありません。

各家庭で日々の供養が行われている中で、さらに寺院でもお供養がされますので、より丁寧なお供養の方法といえます。

少子化の中では、供養を託すことのできる後継者がいない方も多く、一つの選択肢としてお寺に永代供養を依頼する方が増えてます。

永代供養墓はお墓参りをしなくてもよいお墓と、誤解されている人がおられます。

これは、少子化の時代に永代供養墓が登場したことで生まれたデメリットともいえます。

永代供養墓についての誤解が新たな誤解を生んで「お墓参り出来ないお墓」と思いこんでいる人も、実際におられました。

誤解をされていた人も、お墓は家族が供養するものというところからスタートしていただいて、生活環境の変化と共にお参りをされる頻度が少なくなってしまった場合は「ごめんね」という気持ちを大切にしていただければと思います。

家族や兄弟であっても対立してしまったことで、「供養をする気になれない」「お墓参りに行きたくない」という人もおられると思います。

お墓での供養は、強制することも、誰からも強制されることもありません。

まとめ

『家族が供養をしなくてもよいお墓』ですが、今ある全てのお墓が当てはまると同時に、見方を変えれば、そのようなお墓はないともいえます。

このようなテーマについて、メリットやデメリットを紹介するのは無理がありました。

しかし、前章からの流れからメリットとデメリットに拘る必要がありましたので、このテーマに近いと思われる「永代供養」を例にあげて話を進めさせていただきました。

テーマにそぐわない内容になってしまい申し訳ございませんでした。

サイドナビ