引き続きご高齢者に優しいお墓の在り方とは?②として紹介させていただきます。
前項では、墓地の選び方と注意点や、最近の墓石の形について解説させていただきました。
本項では、墓地を確保する際の基礎知識と、これからの時代のお墓の維持や管理について紹介させていただきます。
これから新しくお墓の確保を検討される方々の参考になりましたら幸いです。
墓地を選ぶ際に、先に墓石の価格がわかっていれば、必要な総額をすぐに計算できます。
まだ墓地を確保されていないお客様が、墓石の価格を尋ねに当店にもよくお越しくださいます。
墓地によっては、墓地管理者が指定する石材店以外での工事を認めていないところもあります。
ほとんどの公営墓地では、霊園が石材店を指定することはありません。
指定石材店のある霊園では、事前に調べておいた墓石価格は意味のないものになってしまいます。
建墓される際に価格を最優先にお考えの方にとっては、指定石材店の有無が障害になることがあります。
初めての方のために墓地を確保される際に必要な費用を紹介させていただきます。
墓地(永代)使用料
墓地は管理者が所有しています。墓地(永代)使用料は、墓地管理者から墓地を使用する権利を取得するための費用です。
墓地管理料
霊園内の共有施設の維持管理費用、人件費、公共料金、ゴミの処分料などを墓地使用者が分担をします。年払い・複数年払いなど定期的に納付する場合が多いですが、霊園によっては管理料を一括前納する永代管理を採用しているところもあります。
会費など
寺院墓地の中には、墓地管理料以外に護持会費などの納付が必要なところもあり
建墓をされる際には、上記費用の他に墓石工事費用などが別途必要になります。
お墓の維持に欠かせない費用が墓地管理料ですが、使用者にとって管理料は2つの意味を持ちます。
管理料を納めることで快適なお参り環境を維持できる。
管理料が未納になると無縁仏とみなされて墓石が撤去される。
霊園の多くは、定期的な墓地管理料の徴収がございます。
年間に支払う管理料の金額は、数千円~2万円程度と霊園や墓地の広さによって異なりますが、いずれの場合も支払いが無理な金額ではありません。
少子化や核家族化が進みますと、金額よりも支払いを続けなければ墓石が撤去される可能性があることに不安を感じるのではないでしょうか。
管理料は金銭的な負担ではありますが、同時に精神的な負担にもつながります。
お墓を造ることで新たな心配が一つ増えるようでは困ります。
先々の負担軽減を考える方は、先々の管理料を一括前納する永代管理をお勧めいたします。
最近では、お墓の主流になりつつある永代供養墓の大半が永代管理を採用しています。
まずは、お墓が維持される仕組みを理解して、無関心に見える子供にもキッチリとした説明が出来るようになっていただければと思います。
理解をすることで、ご自身の安心にもつながります。
少子化の中では、子々孫々までお墓の承継をつなげていくのが難しいかも知れません。
だからといって、合祀墓ではない普通のお墓に入りたいと願う方々も大勢おられます。
このような時代に要望に応えるお墓としてできましたのが永代供養墓です。
最近の永代供養墓は、家族で使用できる個別のお墓が増えつつあります。
長期間のお墓の維持が約束されていますが、龍眠庵の永代供養墓のように墓石の寿命がくるまで残るお墓もございます。
今までのお墓は、家族代々で入ることを普通としてきましたが、最近では先々の納骨については子供や孫に委ねるという考え方が定着してまいりました。
昨今の多発する「墓じまい」からもわかるように、核家族の時代においては今までのお墓の在り方では無理が生じてしまいます。
永代供養墓の場合は、お墓参りに来ることができる世代までは、普通のお墓と何も変わりません。
お参りに来る人がいなくなった場合には、子孫に代わって寺院が各家の永代供養墓を維持いたします。
お参りがしやすい立地や環境にあり、楽な姿勢でお参りや掃除ができて、先々に心配を残さないお墓こそが、ご高齢の方々に優しいお墓の在り方ではないかと思います。