東福寺龍眠庵墓地指定石材店のオフィス石太郎です。
東福寺龍眠庵では、昨年の春より樹木葬と永代供養墓の受付をしています。
本日は、永代供養墓「円満」の第2期募集分の据え付け工事をしておりました。
墓石の工事は完了いたしましたが、5月3日~4日の2日間に通路の貼石を予定しています。
一般に霊園と呼ばれる墓地には、郊外などにある公園墓地や街中にあって自治会が管理する共同墓地など、様々な規模のものがあります。
また、寺院の境内には寺院墓地と呼ばれる墓地もございます。
筆者が墓石業界に携わってから30年以上が経過しましたが、その間には少子化や核家族化が叫ばれるなどお墓事情は大きく変化をいたしました。
公園墓地の特徴
公園墓地の特徴としては、墓地の全体の規模が大きいことがあげられます。
建てられた墓石の数も、数千基以上のところが多く、中には数万基の墓石が並ぶ公園墓地もあります。
墓地の管理者は、公営や宗教法人など様々ですが、どこも宗派を問わない受付をしています。
規模が大きいために、居住エリアからは離れた山の斜面などに造られることが多いのですが、墓参バスを運行するなど交通アクセスの改善に努めるなどしている所もあります。
公営以外の公園墓地の多くは、墓石の工事を墓地管理者が指定する石材店で契約する規程が設けられています。
30年くらい前までは、あちこちで新たな公園墓地が開園するなど、これからお墓を建てようかとお考えの方には、とても人気がございました。
その頃は、宗教離れという世間の空気感もありましたが、毎週のように新聞には新規開園の墓地のチラシが挟まれていたことが人気の要因だったと思います。
郷里から離れて暮らす方々にとっては、チラシが墓地の情報を知る大きな手掛かりだったと思われます。
30年以上の期間が経過しますと、お墓の契約をされた方々の中にはお亡くなりになる人もおられます。
後継者が近くに住む人は特に問題はありませんが、遠方に住む方の中には、最寄り駅からのアクセスの悪さがネックになってしまう場合もあります。
共同墓地の特徴
昔から町の中にあって、地元の方々が管理をする墓地を共同墓地といいます。
共同墓地の多くは、地元の自治会が管理をしていますが、近隣の寺院が管理をしている墓地もあります。
ほとんどの共同墓地では、指定石材店を設けていませんので、指定がない墓地では自由に石材店を選ぶことができます。
少し前までは、近隣に住む方々を対象に受付をしている共同墓地がほとんどでした。
しかし最近では、お住いの場所を問わず受付をしている所が増えてまいりました。
人口が増えていた時代は、空き区画ができるのを順番待ちしていた共同墓地もありました。
最近では共同墓地も、少子化や核家族化の影響を受けています。
墓地の近くにあった両親が住んでいた実家がなくなると、核家族のお宅では共同墓地の最大のメリットであった「家から近いお墓」ではなくなってしまいます。
墓じまいをする人が増えて共同墓地でも、徐々に空き区画が目立つようになってきました。
寺院墓地の特徴
寺院の境内にある墓地を寺院墓地と呼んでいます。
お寺離れや宗教離れといわれてきた時代が長く続きましたが、少子化の時代を迎えて寺院での永代供養を希望する人が増えてまいりました。
永代供養墓や永代供養の樹木葬など、お供養とお墓を兼ね備えた新たなお墓を造るなど、これからお墓を建てる方々の要望に合わせた取り組みをしています。
寺院といっても立地環境は様々ですが、駅から近い寺院の墓地が人気です。
寺院墓地といえば、以前は檀家さんのためのお墓でした。
最近では、檀家の条件がなかったり、宗派を問わない受付をしているお寺も増えてまいりました。
お盆の時期になりますとテレビなどでは、評論家風の人がお墓参りの作法を解説しています。
お墓参りの作法や手順は、地域や宗派やアドバイスをしてくださるご住職によって百人百様です。
テレビなどは、参考程度にご覧になられればと思います。
本日は東福寺龍眠庵墓地で、永代供養墓の新設工事をしていました。
以前に納骨法要をされたご家族がお墓参りにお越しでした。
近くでご家族を拝見しておりましたが、法要後に初めてのお墓参りのようでした。
最近は、黄砂や花粉などがついたお墓が目立ちます。
お嬢さんがブラシを使って隅々の汚れを落としていて、ご両親も花筒の掃除などをされていました。
お墓参りを楽しんでいるような雰囲気で、ご家族の皆さんが笑顔だったのが、とても印象的でした。
墓前では、元気な家族の姿をお見せするのが、もっとも大切なお墓参りの作法だと、あらためて考えさせられました。
これからも、”我が家流のお墓参り”を楽しくしていただければと願います。
お寺にお墓があるということは、気軽に仏事の相談ができるご住職との出会いでもあります。
先日は、お墓の承継についてのご相談に同席をさせていただきました。
ご相談の内容には触れませんが、ずっとお一人で悩んでおられたようでした。
家族であっても、なかなか言い出しにくいこともあります。
ついつい話す機会を失ってしまった結果、ボタンを掛け違うことがあります。
また、ご自身の思い込みから誤った判断をしてしまうこともあります。
「お墓のことなので、誰にも話すことが出来ずに、ずつと一人で考えていました。」
お話をお聞きしたことで、ボタンを掛け違ってしまった原因が解って、悩みごとの解消につなげていただけたようでした。
特に悩みごとのない人の場合は、お寺で勤められる永代供養や様々なお供養を間近でご覧いただくことで、実感として感じていただけるのではないかと思います。
これらは、先々の安心感にも繋がります。
最近のお墓は、どんどんシンプルな方向へと進んでいます。
それ自体は、お客様のニーズがあってのことですので、今の時代に合っていると考えます。
しかし、もしも大切な部分も一緒にそぎ落とされるようでしたら、少し違うのではないかと思います。
永代供養墓や樹木葬についても、この先もボタンを掛け違わないように注意をしたいと思います。