東福寺龍眠庵墓地指定石材店のオフィス石太郎です。
龍眠庵では、樹木葬付き永代供養墓「樹陵(じゅりょう)」の受付をしています。
本項では、樹木葬付き永代供養墓をご予約いただいたお客様からの相談をもとに、これからのお墓のあり方をまとめてみました。
これから新たなお墓をご検討中の方は是非参考にしてください。
龍眠庵の隣にある霊源院では、22年前より永代供養墓の受付をしています。
この頃に、永代供養墓をご成約された方の多くは、後継者のおられない方々でした。
「跡取りが居ないので普通のお墓を建てられない」と仰る方もいて、その頃の永代供養墓には「何となくハンデがあるかのような印象」を持っている人が多かったように思います。
お寺では、このような印象を払拭するために埋葬可能な人数を増やすなどの改善や、コラムで現状を紹介するなど、皆様にご理解いただけるように努力してまいりました。
樹陵を申し込みされたお客様は
今では、様々なお客様が樹木葬付き永代供養墓「樹陵」を申し込みされています。
共通して仰ることをまとめますと、「墓じまいの心配から解消されて、先々にお亡くなりになった人が粗末な扱いをされないように感じる」という感じになります。
生前に夫婦のお墓として確保していただいたお客様が多いのも樹陵の特徴といえますが、家族への負担軽減を一番に考えてこのお墓を選んでいただいているように感じます。
20年前の頃と違って、後継者のいる夫婦が自分達のお墓として永代供養墓を選んでいただいています。
1.家族のお墓としての使用も可能
樹陵の初期費用には2名様の永代供養料が含まれています。
ご家族のお墓を希望される場合は、1名様あたり永代供養料として10万円を追加していただきましたら人数制限なくご使用いただけます。
3名様以上の埋葬を希望する方や、先々3名様以上の埋葬の可能性のある方の場合は、必要時にその都度追加していただけます。
また、ご家族のお墓としての使用を考えて、必要十分な広さの納骨室を設けました。
今後も核家族が当たり前の時代が続きそうです。
今までのお墓のように後継者不在の放置墓になることはありませんので、先々に両親と一緒のお墓に入るか否かは子孫の方々の意思を尊重していただけます。
2.墓じまいされたご遺骨の改葬先として
樹木葬付き永代供養墓「樹陵」は、人数制限なく埋葬していただけますので、先々にご先祖様の改葬を予定している方のお申し込みもございます。
様々な理由で墓じまいを急いでいる人もおられますが、どちらかといいますと「事情があって今すぐは墓じまい出来ませんが、その時が来たら・・・」と仰る人の方が多いです。
墓じまいをしたご遺骨の改葬(他の墓所に再埋葬)をする場合、役場で改葬許可申請をしていただく必要があります。
申請の際には、改葬先を記入する項目がありますので、先に新たな墓所を確保していただくことになります。
龍眠庵で改葬での永代供養料は
龍眠庵に改葬をされる場合の追加費用についてですが、納骨料ではなく永代供養料になります。
納骨料の場合では、ご遺骨の人数で納骨料は決まりますが、永代供養料の場合は定期的にお供養する際に読み上げる戒名(または氏名)の人数で計算されます。
永代供養料での人数の考え方
ご先祖様全員を「〇〇家先祖代々」で読み上げの場合
・1名様と同様の永代供養料
ご先祖様各人の戒名を読み上げる場合
・ご遺骨の人数分の永代供養料
永代供養料の計算例
〇〇家先祖代々と両親の永代供養を希望する場合
1名+2名=3名様分の永代供養料
3.夫婦ふたり(自分だけ)のお墓として
永代供養墓は、後継者がおられない方も安心して建てていただけるお墓として生まれました。
安心をいただける根拠としましては、次のような事柄があります。
永代管理(先々の管理料を前納)のため管理料の未納が起こらないこと。
龍眠庵では、天災等による墓所の損傷を先々までお寺が修繕する。
そのため、お子様がおられない方であっても、墓石の今後を心配すること無くご納骨をしていただけます。
令和7年6月22日での近況
今年の2月23日より第2期募集としまして、36区画の受付が始まりました。
6月22日時点での、予約や成約いただいたお客様は17区画です。
当初の予想よりも随分早く、約4か月で残りの区画が約半分程度になりました。
筆者は、叔父さんの影響もあって、子供の頃から先々のことを考えるのが好きです。
また、仕事柄ではありますが「今後のお墓に関わる文化は、どうなっていくんだろう?」と常々考えています。
このような時代の流れの中では、「祖父や祖母のお墓が何処にあるのかよく知らない」という人が、肌感覚ではありますが近い将来に増えていくのではないかという嫌な予感が致します。
そのことに危惧して、子供が関心を持つお墓をコンセプトに「小さな子供の目の高さにあって可愛いお地蔵様がのったお墓」を樹木葬付き永代供養墓として龍眠庵で募集したこともありました。
永代供養墓のように、今後の時代に合った仕組みへの取り組みは大切だと自覚しておりますが、今後はお墓がある場所(龍眠庵の場合は東福寺など)を、もう少し際立たせる必要があるのではないかとも考えています。
「子供は親の背中を見て育つ」どこかで聞いたセリフではありますが、お墓参りの文化が未来にも引き継がれますように、みんなでお墓参りに行きましょう。