東福寺龍眠庵墓地指定石材店のオフィス石太郎です。
今回のテーマは、最近のお墓事情についてです。
お墓に求める皆様の要望をまとめてみますと「墓じまいの心配がない」「維持費がいらない」「永代供養」の大きく分けて3つがあげられます。
20年前まででしたら、「広々した感じ」「立派に見える」「長持ちする墓石」など、どちらかというと外見や品質などのハード面にこだわる人が多かったように思います。
当時は、お墓についての知識を「お墓の建て方・先祖の祀り方」などの本を見て勉強するのが一般的でした。
そのため、お客様が買った本の内容と少しでも違う説明をすると「君は勉強不足やな・・・。」という感じで、中には鬼の首でも取ったかのように反論する人もおられました。
市販されている本というのは、それほど信頼されていたのだと思います。
最近は、検索をすると自身が欲しい情報が上位に出てきます。
ワードを変えて検索を繰り返すことで、自分に合わせた「お墓のカタチ」を、短時間で見つけられる環境になりました。
その結果が、先に述べた「墓じまいの心配がない・維持費がいらない・永代供養のお墓」ということになってきたのではないかと思います。
墓じまいの心配のないお墓dすが、大きく分けて2つのタイプがあります。
①いつまでも撤去されないお墓
②お約束の時期が来たら墓地管理者が墓じまいをするお墓
①について
墓石撤去の期限をあらかじめ設定していません。
しかし、現実的には墓石の寿命がきた時に、墓地管理者によって撤去されることになります。
このようなお墓を永久墓と呼ぶ霊園もあります。
いつまでも墓石を維持するためには、後々の維持費不要な永代管理は必須です。
また、家族に代わって後々の墓石修理などを墓地管理者が行っていただけることも必須になるのではないかと思います。
②について
②のお墓では、あらかじめ決められた時期が来たら墓じまいが行われます。
申し込みの際に注意をしなければならない点ですが、まずは約束の時期までを計算するタイミングが挙げられます。
申請時から計算するお墓を生前確保した場合は、実際に埋葬されてからの残り期間が少しになってしまうかも知れません。
申請時から計算を始めるお墓と、埋葬時から計算を始めるお墓の2通りがありますのでご注意ください。
次に、お約束の時期が来た時に、墓じまいを誰がするのか?ということも知っておかなければなりません。
お墓によって、墓地の名義人(または家族)が費用負担して墓じまいをするタイプと、前納された費用を元に墓地管理者が墓じまいするタイプの2通りがあります。
墓じまいの心配がないお墓を希望する人は、墓地管理者が墓石の撤去をしてくださるタイプのお墓をおすすめいたします。
永代管理とは、後々に必要な墓地管理料を一括して納める支払い方法をいいます。
多くの場合は、初期費用として一括前納する場合が多いのですが、永代管理料を別途に提示している霊園では年払いの途中で永代管理に切り替えできる場合もあります。
永代管理は永代供養墓に採用されていることが多いことから、次に説明をさせていただく永代供養と混同している人もおられるようです。
永代管理の有効期間は、霊園によってマチマチです。
20年間や30年間など、永代管理の有効期間を定めている場合や、龍眠庵の永代供養墓「円満」のように無期限のところもあります。
申し込み後に成約をされた日から永代管理の期間がスタートする霊園も有りますのでお墓の生前確保を考えている人は注意してください。
家族が日々に務めるお供養とは別に、宗教施設などに故人様の継続的なお供養を依頼することを、一般には永代供養と呼んでいます。
永代供養墓の登場によって、今まで寺院などと縁のなかった方々にも永代供養が身近なものになったのではないかと感じています。
反面、行き過ぎた表現の広告などの影響で、寺院などにお供養を丸投げするかのように永代供養を誤解している人もおられるようです。
東福寺龍眠庵では、毎年9月の彼岸中の日曜日に総回向法要(そうえこうほうよう)を行い、永代供養墓に登録し埋葬された方々のお供養をしています。
事前に往復はがきを発送して案内していますので、ご家族の方々も沢山お越しになります。
永代供養墓の登場以来、お墓に求める皆様のニーズは大きく変わったように感じます。
ただ、毎年の総回向法要には大勢の方々が参加されていて、中には、訳あってご葬儀の際にお坊さんを呼ばなかったという方もおられます。
前章で、永代供養が身近になったとお伝えしましたが、故人様を弔う新たな環境として、徐々に永代供養が浸透してきているように思います。
お墓があって、本堂があって、そこに子供達も時々やってくる。
東福寺龍眠庵の永代供養には、このような雰囲気で参加される方が多いように感じます。