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お墓の文字について

2025.10.05

京都東福寺龍眠庵のお墓のコラム

お墓の文字について

東福寺龍眠庵墓地指定石材店のオフィス石太郎です。

お墓に彫刻する文字についてアレコレ書かせていただこうと思います。

墓石は大きく分けて、一般に和型墓石と呼ばれるものと洋型墓石と呼ばれるものがあります。

最近では、個性豊かなデザイン墓石を希望する人も増えてきて、和型や洋型に分類できないお墓もあります。

今回は、それぞれの型に沿った文字の傾向を紹介させていただきます。

皆様が建墓をされる際の参考にしてください。

和形墓石の文字の彫刻

和型墓石は、京都型・大阪型・神戸型など、地域によって微妙に形が違います。

ただし、彫刻する文字につきましては、それらの影響をあまり受けません。

一番多いタイプは

  • 正面に「〇〇家之墓」の彫刻を希望する方が圧倒的に多いのではないかと思います。

  • 最近は菩提寺のない家庭が多く、葬儀の際には葬儀社に寺院の紹介をしていただく場合が少なくありません。

  • また、葬儀の時には親戚に宗派を教えてもらうなど、我が家の宗派(両親や祖父母の宗派)を知らない人も結構いらっしゃいます。

  • このような背景もあって、文字についての制約や希望のある人が少なく「他の方と一緒でいいです」という流れで打ち合わせが進んでいきます。

宗派に沿った文字もございます

  • 人口が一番多い宗派である浄土真宗や真宗大谷派を例に挙げますと、正面文字は「南無阿弥陀佛」または「倶會一處」になります。

  • 浄土宗は「南無阿弥陀佛」・日蓮宗は「南無妙法蓮華経」になります。

  • 日蓮宗の「南無妙法蓮華経」は、「ヒゲ題目」と呼ばれるお坊さんが書いていただいた特殊な字体のものを彫刻します。

  • ご住職より文字の指定がある場合がありますので、建墓の際には寺院に相談されることをおすすめします。

  • 神道の場合は「〇〇家奥津城」「〇〇家奥都城」と彫刻する場合が一般的ですが、どちらも「おくつぎ」と読みます。

  • ただし、天理教の場合は「〇〇家之墓」が一般的です。

その他の文字

  • 正面に家名を彫刻せずに「先祖代々之墓」だけを彫刻する方もいらっしゃいます。

  • このようなお墓を希望する人に理由を聞かせていただきますと、「先々に苗字を気にすることなくお墓を引き継げるため」という目的があるそうです。

  • このような目的の場合では、家紋の彫刻を避けた方が良いでしょう。

  • 自治会や寺院の墓地などで、先祖代々之墓と彫刻した墓石が並んでいるのを見かけることがあります。

  • 墓石の背面または側面に墓石を建てた人の名前も彫刻しますので、時々しかお越しにならない親戚の方などは、建立者名を目印にお参りされると良いでしょう。

洋型・デザイン墓石の文字について

デザイン墓石の登場で洋型墓石の規格が曖昧な感じになってきました。

棹石(一番上の石)の横幅が2尺でしたら20号、2尺1寸でしたら21号などと表記していた時代もあります。

ただし、棹石が縦長であっても横広であっても横幅が2尺でしたら20号ですので、洋型墓石の規格は文字の打ち合わせの参考になりません。

和型墓石よりも自由な感覚で洋型墓石は文字を考える人が多いように思います。

そのため、従来のような形に合わせて文字を決める方法では、文字の大きさや文字数などに制約ができてしまいます。

例えば「南無阿弥陀佛」などの縦書きで1行での彫刻が望ましい場合は、洋型であっても棹石が縦長の墓石が適しています。

洋型墓石に家名のみを彫刻する場合は、バランスとしては「之墓」を入れずに「〇〇家」が無難です。

好きな文字の彫刻を希望する人もおられます。

その時々での流行ものもありますが、「絆」「和」「ありがとう」「やすらぎ」が安定して人気があるように思います。

また、花などのイラストの彫刻を希望する人もおられます。

ご家族の故人様への気持ちに水を差すようで恐縮ですが、筆者の個人的な気持ちとしては、あまりに華美な彫刻は後々に飽きがくるのではないかと心配いたします。

また、出来栄えにつきましても、イメージ通りのものに仕上がるかは出来上がってみないと分からない部分も多少あります。

イラストの彫刻につきまして否定的な事ばかりを書きましたが、一番目立つ部分ですのでセンスが問われるところです。

建立記録

一般的には、お墓をいつ誰が建てたかを彫刻いたします。

彫刻する場所に決まりはありませんが、一般には棹石の背面や側面、または上台(上から2番目の意思)の背面や側面に彫刻いたします。

建立の年月については、一般的には「元号〇年〇月吉日」と彫刻しますが、西暦を希望する人もおられます。

一般には、浄土真宗や真宗大谷派などでは「吉日」の文字はいれません。

ただし、浄土真宗の人が他宗派の寺院の境内にお墓を建てることもあったりして、その場に応じて判断しなければならない場合もあります。

建立者についての決まりもありませんが、家族の代表者1名にする人や兄弟を連名にする人など、ご家族ごとに違います。

最近では、終活をする人が増えたこともあって生前に永代供養墓を求める人が増えました。

先々にご夫婦が入る予定のお墓の場合では、建立者を夫婦連名にする割合が高いようです。

石材店によっては、建立年月の下に「建之」の2文字を彫刻するか、建立者の下に「建之」を彫刻します。

「建之」をなんて読むんですか?という質問を良くいただきますが「これをたてる」と読みます。

西日本に多いのですが、地域によっては建立者が存命中の場合は朱色のペイントを入れます。

埋葬者の記録

一般には、戒名(宗派によっては法名)・俗名・死亡年月日・享(行)年を墓石に彫刻します。

位牌に書かれた内容になるのですが、墓石の正面に「〇〇家之墓」などの家名を掘る場合は、一般には俗名には苗字を入れません。

墓所の広さにもよりますが、埋葬者記録を彫刻するために「霊標(法名碑)」を墓石の横に立てる人もいます。

家紋の彫刻

和型墓石の場合は、各地域の墓石の形によって家紋を彫刻する場所は決まっています。

神徒型墓石の場合は、中央下側に「八足(はっそく)台」がありますので、花立に彫刻する場合が多いようです。

洋型墓石やデザイン墓石の場合は、デザイン的には家紋の彫刻が難しいように感じますが、神徒型墓石と同様に両側の花立に入れる場合もあります。

最近は、家紋が分からない人が多いように思いますので、彫刻を希望する人は、事前に調べておいてください。

墓石に彫刻しておきますと、次世代の人に家紋を伝えることができます。

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