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手元供養について

2025.10.12

京都東福寺龍眠庵のお墓のコラム

手元供養について

東福寺龍眠庵墓地指定石材店のオフィス石太郎です。

先日、テレビ番組を拝見していましたら、時代と共に変化するお墓の傾向について紹介していました。

番組の構成としては「一般的な墓石タイプ」→「樹木葬タイプ」へと変化しているそうです。

最近では「古墳タイプ」のお墓が注目されているとの紹介がありました。

筆者は、この業界に携わってから35年になります。

このような移り変わりの中で、樹木葬タイプのお墓が世間に認知されだした頃より、手元供養を希望する人が増えているように感じます。

今回は、手元供養についてアレコレ書かせていただきます。

手元供養とは?

ご遺骨の一部または全部を身近な場所に保管して、ご家族やご自身で故人様をお供養することを手元供養といいます。

ご家族が逝去されますと、仏教徒の方は四十九日まで納骨をせずに、ご自宅でお供養をする習わしがあります。

このような期間を喪中といって「喪に服す」などと表現してきましたので、手元供養をするとは言いませんでした。

手元供養という言葉を聞くようになったのは、わりと最近の事です。

元々は埋葬の方法であった樹木葬が、お墓の仲間として認知されだした頃より耳にするようになったように思います。

その頃は、SNSを活用する人が増えたこともあって終活という言葉も並行して世間に広がっていきました。

その頃を思い出しますと、お坊さんの中には「手元供養を認めない!」と仰る方も多く、筆者も新たな時代に思いを巡らしていました。

手元供養の誤解

筆者としましては、手元供養についてはご遺族の意思を優先すべきだと考えています。

お坊さん達は、「いつまでも納骨しないのは良くない」「家族だけでの供養は良くない」という理由で反対していた訳です。

ただ、最近ではこのような誤解をしているお坊さんも減りました。

手元供養を希望する人の多くは、人一倍お供養に熱心な人が多いように感じます。

墓所への納骨や、後継者への負担を考えて永代供養を希望する人が多く、お墓についても良く調べておられるようです。

龍眠庵の場合では、お墓への納骨の当日に、ご遺骨の一部を持ち帰ることを希望されます。

御納骨後は、お墓へのお参りをされています。

ご自身が亡くなった際に、手元供養の遺骨も一緒に納骨するように家族に伝えている人が多いようです。

ご遺骨を入れる容器が必要

手元供養を希望する人は、ご遺骨が粗末な扱いにならないように注意する必要があります。

最近では、手元供養用品が充実していますので、それらを選ぶと間違いないと思います。

これから手元供養を始める人は、先にご遺骨の保管場所を決める必要があります。

お仏壇が最も相応しい場所だと思いますが、中にはお仏壇を用意する予定のない人もおられます。

相応しい保管場所を決めてから、ご遺骨を入れる容器を考えると良いでしょう。

喉仏用の小さな骨壺を活用することもできます

骨壺には色々なサイズがあります。

分骨を希望する方は、火葬後のご遺骨を大きな骨壺と小さな骨壺に分けて受け取ります。

お墓へのご納骨当日に、この小さな骨壺を使ってご遺骨を少し持ち帰る方もおられます。

手順としては

  1. あらかじめ葬儀社には、分骨を希望することを伝えておく。

  2. ご納骨当日に、小さな骨壺に入った喉仏と持ち帰る遺骨を入れ替える。

  3. 持ち帰らない遺骨をお墓に納骨する。

分骨用の小さな骨壺を確保しておくことを忘れなければ、あとは納骨の際に石材店や霊園などのスタッフが手伝いますので安心してください。

先々に別の容器に遺骨を移し替える場合は、不要な骨壺は自治体が定めた方法で処分してください。

自宅でのお供養の方法は?

持ち帰ったご遺骨をどのようにお供養して良いのか分からなくて、ネットで検索する人も多いのではないかと思います。

このような場合は、納骨の際に読経していただいたお坊さんに尋ねてみるのが良いでしょう。

筆者としては、故人様が生活の身近に感じるような環境を作ることができれば、作法にこだわらなくても良いのではないかと考えています。

しかし、基本的なところを確認しておいた方が不安の解消につながると思います。

仏事につきましては、宗派やお住いの地域によって異なることが多く、この機会に調べてみると良いでしょう。

仏事の多くは、その地域で長年続けられてきた伝統ともいえます。

信仰心とは少し意味合いが変ってしまいますが、手元供養をすることで日々の生活が豊かになれば良いことだと思います。

  • 有限会社 オフィス石太郎オフィス石太郎
  • 担当 柳田 貴人
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